EpidiolexはCBD普及に一石を投じることができるか
EpidiolexはCBD普及に一石を投じることができるか

EpidiolexはCBD普及に一石を投じることができるか

2017年12月28日に英国ケンブリッジに本拠地があるバイオベンチャーGW Pharmaceuticals plc(Nasdaq:GWPH、以下「GW社」)が天然大麻草由来のCBDから作られているEpidiolexがアメリカ食品医薬品局 (FDA)より提出していた新薬承認申請書が優先審査品目として受理されたことを発表した。

Epidiolexはレノックス・ガストー症候群(小児期に発症する難治性てんかんを主症状とするてんかん症候群)及びドラベ症候群(乳幼児期に発症する難治てんかん)における発作を抑制する効果で研究されている。優先審査品目は現在有効な治療が存在しない領域において大きな飛躍がのぞめる分類であって、標準品目のレビューより完了までの時間が短縮される。現在のレビュー完了予定日は2018年6月27日とされている。

また、結節性硬化症の治療についてCBDが2018年2月に欧州医薬品庁 (European Medicines Agency)によりGW同社が希少疾病用医薬品の指定を受けたことを発表した。これにより上市した際に費用の低減措置や競争からの保護というインセンティブをEUより受けることができる。結節性硬化症は根本的な治療法は確立されておらず、日本においても 「症例数が少なく、原因不明で、治療方法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患」に対して行われる難治性疾患克服事業の対象となっている。GW社は現在結節性硬化症に関連する発作の補助的療法としてEpidiolexの第III相試験リクルーティングに入っており、2018年の下期に結果が出る予定である。結果が良好であればヨーロッパ及び北米において上市のための手続きに入ることを想定している。

GWは上記のように天然大麻由来のCBDを原料とする医薬品であり、これがFDAの承認プロセスにのっていることの意味は大きい。Marinol(合成THCを使用)やCesamet(同)等の商品は何十年も前から存在するが、今回の製品が天然由来(GW社はEpidiolex以外にもSativexというTHC及びCBD由来の治験中の製品もある)という点に注目すべきであろう。合成と天然由来の効果の差もあるが、元々アメリカにおいてDEA(アメリカ麻薬取締局)によってスケジュールIに分類される要件(濫用の危険性があり、治療の為の医学的用途がない)を満たさなくなるのだ。本件以外にも アメリカ合衆国保健福祉省が、精神作用の無いカンナビスによる特定の病気によって引き起こされる傷害から脳を守ることに関する特許を保持していたり、連邦レベルで違法とされているのに州単位で合法とされているねじれなど、綻びが拡大しつつある。

今回のFDAの動きがねじれの解消=CBDの普及に一石を投じることができるのか、あるいは政府で認可をコントロールするという動きになるのか。引き続き米国の動向及びそれに応じた日本の動向をモニターする。

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